おすすめ絵本『二番目の悪者』

本について

読み聞かせにおすすめの絵本の、あらすじ・対象年齢・みどころをお伝えします。

二番目の悪者

作:林 木林(はやし きりん)

絵:庄野 ナホコ

2014年11月発行(小さい書房)

(読み聞かせにかかる時間:約18分)

あらすじ

とある動物の国で、年老いた王さまが「次の王様を国民で決めるように」と言いました。

派手でお金持ちで傲慢な金色のライオンは「次の王さまには自分がふさわしい」と思いました。しかし、周囲の動物たちは「強くて心優しい、銀色のライオンが次の王にふさわしい」と噂しています。噂が気になった金色のライオンがこっそり銀色のライオンの動向を偵察に行くと、銀色のライオンは困った動物たちを無償で助けていたのでした。

自分が王さまになれないかもしれないと思った金色のライオンは、行動を起こします。「銀色のライオンに乱暴された」「銀色のライオンは気が荒いらしい」「銀色のライオンには気をつけた方がいい」・・・それらしい嘘をそれとなく言いふらしたり、知人にメールしたり。

最初はそんな噂話を気にも留めたかった動物たち。時間が経って噂話が広がるにつれて、「銀色のライオンは乱暴者なのかも」「銀色のライオンには気をつけた方がいいのかも」と言い出す者が現れ、さらに噂話を広め、多くの者がそれを信じるようになりました。

新しい王さまは金色のライオンになりました。金色のライオンは自分勝手で贅沢三昧。国は荒廃していきます・・・。

対象年齢

小学校中学年~大人におすすめ

道徳の時間に教材にしてもいいような、真面目な考えさせられるお話です。文章量が多く、児童書のような絵本です。1人でじっくり読むのにも良いです。

A5判のサイズと、タテ26センチ×ヨコ18cmの大きなサイズの2種類が販売されています。読み聞かせで使う場合は大きなサイズの方が絵が見やすいですが、小さいサイズでも丁寧に ゆっくり読めばお話は伝わります。

みどころ

悪意のある人からの悪口や噂話が広がるにつれて、悪意のなかった人の間でも噂されるようになり、それが真実であるかのようになってしまう。子どもたちのクラスの中でも、SNSの世界でも、現実社会でも、実際に起きていることだと思います。金色のライオンだけが悪者なのか?噂話を人に話しただけで、悪意のなかった人は悪者ではないのか?荒れ果ててしまった動物の国を前に、考えさせられます。

説教くさい内容なのかと敬遠されてしまいそうですが、子どもたちは真剣に集中して聞いてくれました。「いい本だったね」と言ってくれた子もいました。

「自分はどう思ったか?」「どうしたら良かったのか?」「これからどうしたらいいのか?」を考えるよう促されるような物語です。絵本の中に印象的な文章・言葉がいくつもあり、子どもたちにじっくり読んでほしいです。

リアルな動物たちが二足歩行をしたり、洋服を着たり、人間のように描かれています。登場人物(動物)たちの描写も素敵ですが、悪い噂話が広がる様子や、国が荒れ果てていく様子を表現している抽象画が素晴らしいです。怪しく穏やかでない雰囲気が伝わってきます。

絵本の最初と最後に描かれている、白い鳥・チェロ・人物・椅子が何を表現しているのかが、私には分かりませんでした。白い鳥は、短く黒い嘴、黒色の細長い脚を持ち、長い首に黒い3本の横線があります。頭の形はまん丸く、鷺や鶴ではなさそう、クジャクのような頭の形です。人が椅子に座って弦を持ち、チェロを弾いている絵。人が椅子に座って弦を持ち、チェロを弾くかのように白い鳥の首に手を添え、白い鳥の胴体に弦を当てている絵。2つの絵が並んでいます。人も白い鳥も穏やかに目を閉じていて、不穏な雰囲気はありません。最後に、白い鳥、椅子に立て掛けてあるチェロと弦の絵が描かれています。ぜひ絵本を読んで、なぞ解きをしてください。

まとめ

今回は、おすすめの絵本『二番目の悪者』についてでした。

読み聞かせにかかる時間:約15~20分

小学校中学年~大人におすすめ

印象的な文章や絵があり、いろいろなことを感じ、考えさせる絵本です。

ご参考まで!

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