おすすめ絵本『サーカスのライオン』

本について

私は小学生と中学生の子の母です。

今まで幼稚園と小学校で絵本の読み聞かせのボランティアをしてきました。

私が子どもたちに読んだ本の中から、おすすめの本を紹介します。

『サーカスのライオン』

文:川村たかし

絵:斎藤博之

1972年12月発行(ポプラ社)

(読み聞かせにかかる時間:約7分)

あらすじ

年老いたライオンの「じんざ」は、サーカスで火の輪くぐりをしている。

ここのところ覇気がなくなり、ライオン使いに心配されていた。

あるとき、「サーカスのライオンが大好き」と言う男の子に出会う。

サーカスでライオンが活躍する姿を見るのを、楽しみにしているという。

この子のために昔のような火の輪くぐりをしてやろう、と「じんざ」は心に決めた。

その夜更け・・・

対象年齢

読み手の周りに子どもたちが集まって読み聞かせするスタイルなら、小学校低学年から

教室で子どもたちが自分の席に座って聞くスタイルなら、小学校中学年~高学年

(読み手の隣に子どもたちが座って、ごく少人数で読み聞かせするスタイルなら、幼稚園年中から

比較的文章が多い絵本です。

ページをめくる毎に場面が切り替わり、テンポよく話が進んでいきます。

絵が小さいページもありますが、小学校中学年以上なら、文を聞くことにより何の絵が描かれているか、教室で読んでも十分に理解できると思います。

みどころ

主人公「じんざ」の性格を表しているような、淡々とした飾り気のない文章です。

絵は水彩絵の具で着色されています。

絵の具の滲みや擦れ、グラデーションによって、ライオンの毛並みや風景などの柔らかさ、緊張感のある場面での「じんざ」の躍動感ある力強い動きが、美しく表現されています。煙や炎の描写も圧巻です。

「じんざ」の顔が大きく描かれているページがありますが、見開かれた三白眼の中に、驚きと憂いと同時に「じんざ」の決意を感じます。

最後に「じんざ」は一筋の線で表現されます。それを文と共に見ると、何度でも胸が熱くなります。

物語は「じんざ」と男の子の交流が主題です。

サバンナの家族と離れ、日本のサーカスのライオンとなった孤独な「じんざ」。

誰かに何かを期待してもらえること。そのことがその人の生きる力になるのだと思います。

最後に起きる事件。

悲しい結末ですが、「じんざ」は後悔していないでしょう。

男の子も、ライオン使いも、皆、「じんざ」を忘れないでしょう。

私も忘れません!

まとめ

今回は、おすすめの絵本『サーカスのライオン』についてでした。

読み聞かせにかかる時間:約7分

小学校中学年~高学年におすすめ

涙なくしては読めません。子どもたちの前で読み聞かせする場合は、泣かないように何回か1人で練習をした方がいいです。

ご参考まで!

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